10月も終わりに近づき、
夜の空気が一気に冷たくなってきました。
まだ本格的なイルミネーションには少し早いけれど、
街のあちこちで少しずつ光が灯り始めています。
出張買取の仕事を終えて、ハイエースを停めた帰り道。
信号待ちの間、ショーウィンドウに映る小さな光が目に留まりました。
去年の冬、同じ時間にこの道を通ったときも、
確か同じ場所に灯りがあって、
それを見ながら「もう冬か」と思ったのを思い出しました。
【撮影場所:みなとみらい】
今夜の写真は、その帰り道で撮った一枚です。
まだ街全体が光に包まれる前の、
ほんの短い時間にだけ見える“季節のはじまりの灯り”。
明るすぎず、どこか控えめで、
でも近づくとちゃんと温かさを感じる光でした。
本の仕事をしていると、
季節の変わり目に敏感になる気がします。
段ボールを閉じるときの空気の匂い、
紙の手触り、そして夕暮れの色。
どれも少しずつ変化していて、
それが仕事のリズムにも重なっていく。
冬が来ると、
街の灯りも、人の声も、少し柔らかくなる気がします。
本を引き取るときに感じる“静かなやり取り”も、
なんとなくこの季節がいちばん似合う。
寒さの中にある優しさ――
それが、冬の仕事で一番好きなところです。
ハイエースの窓越しに見えた小さな灯りが、
ひとつ、ふたつ、遠ざかっていくのを見ながら、
「今年ももう少しでこの季節が来るんだな」と思いました。
またあの街全体が光る日を楽しみにしつつ、
今はこの静かな夜の明かりを大切に眺めています。











