先日は神奈川県大和市へ出張し、人文関係の書籍に関する見積に伺いました。
ご自宅の2階へ通されると、そこには大きなスチール本棚が30本。そのすべてに本がぎっしりと詰まっていて、圧倒される光景でした。
人文科学の専門書、思想や哲学に関する本、歴史の研究書などが幅広く並び、これまでの長い年月をかけて築かれてきた蔵書であることが伝わってきました。
見積の際に伺ったところ、書籍だけでなく骨董品の買取もご希望とのこと。
古書と骨董品、どちらも「時間と共に受け継がれてきたもの」であり、同時にお任せいただけるのは大変ありがたいことです。
冊数を確認すると、その数はざっと1万冊。本を1冊ずつ丁寧に扱いながら、冊数やジャンルを確認し、搬出のための経路や作業日数を検討しました。
こうした大規模な整理はご家族にとって大きな労力ですが、古書店としてお手伝いできることで少しでも安心や前進につながればと願っています。
お客様からも「部屋がすっきりするのが楽しみ」「骨董品も一緒にお願いできて助かる」とのお言葉をいただき、私たちにとっても大きな励みになりました。
そして下見を終えたあとは、地域の上草柳熊野神社へ参拝しました。
上草柳熊野神社は大和市の地元に根付く神社で、地域の人々に古くから親しまれています。
参道を歩くと静けさと清らかさに包まれ、気持ちが自然と落ち着いていきました。
ご依頼をいただいたことへの感謝と、作業が無事に進むよう祈念しながら手を合わせました。
出張の合間に地域の神社へ参拝する時間は、心を整える大切な習慣になっています。
今回の大和市での見積は、蔵書と共に歩んできた時間と、地域に根付いた文化の両方に触れる機会でした。
古書店として、本を未来へつなぐ役割をこれからも大切に続けていきたいと思います。