最近、古本屋の閉店の知らせを耳にすることが増えました。本を手放す場として当店に声をかけていただけるのは本当にありがたい一方で、同じ古書の仲間のお店が閉じていくのはやはり寂しいことです。
出張買取や下見で閉店される古本屋さんに伺う際、私は必ずお聞きすることがあります。
「古書組合に加盟されていますか?」という質問です。
ふと考えるのは、「どうして古書組合に加入しなかったのだろうか」ということです。もし加入していれば、古書組合が主催する即売会に参加することができ、多くのお客様と直接触れ合う場を得られます。また、全国規模のネット販売サイト「日本の古本屋」にも参加でき、遠方のお客様へ本を届ける道も開けます。
さらに、買取が多く商品化が追いつかない本についても、古書組合の市場に出品することができます。
ひとりで抱え込むのではなく、仲間と助け合える仕組みがあるのです。
そして何より、組合に参加することで他の古本屋との交流が生まれ、経験や情報を学べる機会が増えることも大きな財産になります。
古書組合に加入することは、経営の安定や販売の広がりだけでなく、「古本を守り続ける仲間とつながる」ことにもつながります。閉店の知らせを聞くたびに、改めてその大切さを感じています。
本屋の閉店の知らせを聞くたびに、組合の存在をもっと知っていただきたいと強く感じます。
組合は単なる制度ではなく、古本を守り続けるための大切な仕組みなのです。