先日、東京古書組合広報部理事として、大阪古書組合主催「古本大学講座」を見学してきました。
「古本大学講座」とは、これから古本屋を始めたい方や古書業に興味のある方が、業界の仕組みや流通、そして“古本屋のリアル”を学べる講座です。
この日は、当店「東京書房」で経験を積み、現在は大阪で独立された「おおさか書房」店主が登壇。女性古書店主としての歩みや、お店づくりの裏側、そして古本屋として大切にしている考え方などを、笑顔と情熱をもって語ってくださいました。
■ “おおさか書房”店主の話に心を打たれる
正直、聞いていて胸が熱くなりました。「どんなきっかけで独立したのか」「開業して何が一番大変だったか」「どうやって乗り越えたか」。その一つひとつの言葉に、会場の空気が引き締まり、参加者の皆さんが真剣に聞き入っているのが伝わってきました。
古書業界は“静かな世界”と思われがちですが、その裏には、挑戦・努力・信念の積み重ねがあります。そんなリアルを、自分の言葉で伝えてくれた講演でした。
■ 東京と大阪、呼び方は違えど“思い”は同じ
大阪古書組合では「古本大学講座」、
東京古書組合では「古本屋になるには講座」。
名前は違っても、目的はまったく同じです。
どちらも「古書組合のことを知ってもらう」「加入することで得られるメリットを伝える」ための活動。古書組合に入ることで、市場に参加できたり、信頼できる取引の仕組みが学べたり、“業界の仲間”とつながることができます。
こうした講座は、これから古本屋を始めたい方にとって最高の学びの場。“ひとりでやる”ではなく、“つながりながら続ける”ためのきっかけになります。
■ 現場で感じた「人の熱」と「想い」
今回の見学では、大阪古書組合の運営体制や講座の進め方を見て、多くの学びを得ました。受付対応から講演進行、参加者との距離の近さまで、どの部分にも“人の温度”があり、そこに大阪らしい活気と優しさを感じました。
運営されていた皆さんが本当に素晴らしく、改めて「この業界には、情熱を持った人たちがたくさんいる」と実感。
大阪古書組合の皆さま、温かく迎えてくださりありがとうございました。
この経験を東京でも活かし、“本を愛する人が集まる場所”を、もっと広げていきたいと思います。
今回の「古本大学講座」を通して感じたのは、“本を扱う”という仕事の中にある「人の情熱」と「文化をつなぐ力」。東京でも大阪でも、古書組合の役割は同じです。それは、「本と人の縁を次の世代につなぐこと」。
古書業界は決して過去の文化ではなく、未来へと続く“知のリレー”だと改めて実感しました。これからも全国の古書組合と力を合わせ、古本屋を目指す人たちに向けて発信を続けていきます。











