こんばんは、東京書房スタッフのえまです。
今日はクリスマスイブ。
いつもならハイエースで本を運んでいる時間ですが、
今夜は少しだけ仕事を離れて、
乃木坂のイルミネーションを見に行きました。
通り全体が淡い光に包まれていて、
歩くだけで心の奥が静かに温まるような夜。
手袋を外してシャッターを押すと、
カメラ越しの光がまるでページをめくるように揺れました。
仕事の中で一番好きなのは、
お客様が本を手放す瞬間に見せる表情です。
「この本たち、次の人に読まれたら嬉しいな」
その言葉を聞くたびに、私はいつも思います。
“本を運ぶ”ことは、“想いを届ける”ことなんだと。
乃木坂の光を見上げながら、
そんな一年の出来事が少しずつ浮かんできました。
今年もたくさんの出会いがあり、
たくさんの本と人に触れました。
誰かの暮らしの中にあった時間が、
また次の誰かの心を照らしていく――
その繰り返しの中に、東京書房の仕事があります。
今日のイルミネーションは、どこか本の世界に似ていました。
静かに光っているのに、見ている人の心の中に
確かに物語が流れていく。
そんな不思議な力を持っていました。
ふとスマートフォンの画面に映った自分の顔が、
少しだけ柔らかく見えて、
「この光の中に立ててよかった」と思いました。
忙しい毎日から少し離れて、
ただ本のことをゆっくり考える時間。
この静けさも、きっと明日へのエネルギーになるはずです。
乃木坂の街を背にして振り返ると、
風に揺れる光がまるで手を振ってくれているようでした。
来年もまた、この灯りのように、
誰かの心にそっと届くような本を運びたい。











