東京古書組合の理事会は、毎月1回、神田の東京古書会館で開かれています。
理事は14名で構成され、その中には全古書連(全国古書籍商組合連合会)の理事を兼務している方もいらっしゃいます。
東京の現状を基盤にしつつ、全国の動きを共有する橋渡し役も担われているため、会議の内容は多角的で厚みのあるものになります。
理事会で取り上げられる議題は、市場運営の改善や古書祭り・即売会の準備、組合活動の進め方など多岐にわたります。
時には新しい取り組みをどう導入するか、あるいは長年続いてきた仕組みをどう守るかといった意見交換がなされ、世代や経験の違う理事同士の議論が刺激的な時間を生み出しています。
理事会が始まる前、私は東京古書会館の裏にある太田姫稲荷神社へ立ち寄ることがあります。
小さな境内ながら、長く神田のまちで人々に親しまれてきた神社で、病気平癒や商売繁盛のご利益でも知られています。
必ずではありませんが、余裕のあるときにはここで手を合わせると、自然と気持ちが落ち着き、「今日も良い話し合いになりますように」と心が整います。
理事会では毎回、同じテーマに見えても新しい視点や課題が浮かび上がります。
14名の理事がそれぞれの現場から得た経験を持ち寄り、互いの考えを交換することで、新たな方向性が見えてきます。
全古書連理事を兼務されている方の声からは、東京だけでは見えにくい全国の動向や課題も伝わり、東京古書組合の活動をさらに広い視点で捉え直す機会になります。
この月に一度の理事会は、古書文化を未来にどうつなげていくかを考える場であり、仲間と共に歩んでいることを実感できる大切な時間です。
これからも太田姫稲荷神社で感謝を伝えながら、学びを深めていきたいと思います。